Character

【登場人物】


■前島 咲 {崎野萌}

銀座のクラブ「翼」の若きママ。

穏やかな表情をしているが、内心の感情は世間への反骨心に溢れている。

疎開先で、終戦を迎える。そして、疎開先より上野へ。

浮浪児となった咲は、幾人かと徒党を組み戦後を生き残る。

生き残る術として、冷淡な笑顔で悪事を働くことを覚えていった。


■前島 薫 {関口ふで}

咲の母親、現代で言う性同一性障害。内面は男性。

幼少より、違和感を感じていたが 当時としては自分が可笑しいと思っていた。

性別国籍の関係ない「絵」と言う ものに惹かれ腕を磨く。

家の都合で大日本帝国の軍人と結婚。咲を生む。 夫の消息は不明。

咲を疎開させたが、迎えに行くことは出来なかった。

それは、母親になることを自分本来の性が拒んだからであった。


■木島 華 {中根もにゃ}

クラブ「翼」専属の歌手。美空ひばりに憧れて歌の道へ。

咲とは、不思議と気が合う。明るく、屈託のない性格。

本人は、歌える場所があればいいので、クラブ「翼」が経営破綻しそうになっても、あまり気にはしてない。

芸能で生きて行くためなら、なんでもする覚悟がある。


■兵藤 貴子 {河口舞華}

ホステス。浮浪児時代からの、咲の仲間。

日頃は温厚な性格だが トラウマのお粥の話が出ると、異常に機嫌が悪くなる。

戦後、腐ったお粥を食べさせられ食中毒で死の間際まで行ったからである。

彼女も過去の記憶に縛られている。


■鹿目 けい {藤井菜央}

薫の生徒。画家を目指す、芸大生。

兄が、1969年の学生運動の紛争で、体を壊している。

家計を助けるために、ホステスとしてアルバイトを始めようとするが 咲に断られる。

咲と薫を繋げる人物。前向きで堅実な女性


■長野 綾子 {尾崎礼香}

大学講師。専門は歴史学。薫の講師仲間。

芸術面の歴史についても博学である。

男女差別についての不満を持ち、女としての独立を目指す。

当時、巻き起こった世界でのウーマン・リブ運動に強い感銘を受け、日本での活動団体を作ろうとする。


■福田 裕子 {片瀬美月}

クラブ「翼」ホステス。

裕福な家庭で育つが、父親の傲慢な態度に嫌気が差して家出。

殴られても、逆らわない母親の態度にも失望していた。

夜の街を彷徨って いる時に、咲と知り合い面倒を見てもらうようになる。


■掛川 頼子 {水谷千尋}

クラブ「金馬車」のホステス。

咲に水商売を教えた、姉さん的存在。 疎開先でも、咲の面倒を見ていた。

一見明るい性格だが、自分の得に ならないと判断した相手は、無慈悲になれる。


■桐生 夏子 {吉田智美}

咲の浮浪児時代の仲間。現在は、詐欺師。

浮浪児時代から咲とは犬猿の仲で よく揉めていた。

彼女もまた、過去に縛られ咲の出世街道の邪魔をしようとする。

そしてクラブ「翼」のホステス達の貯蓄を投資詐欺で摂取し、

店の賃貸契約の 2重詐欺で「翼」を追い詰めようとする。


■坂口よしえ {小山玲奈}

クラブ「翼」ホステス。咲の浮浪児時代から行動を共にする。

素直で真面目な性格。 幼少の頃から、仲間を繋げる存在感があった。

咲が耳を傾ける、少ない人間の一人。

過去には縛られておらず、むしろ色々と学んだと思っている。

何故か、異様に 数字に強い。


■松下 明美 {飯島茉由}

薫の生徒。裕福な家庭環境で育ち、穏やかな絵を愛する真面目な学生。

全ての事柄において、偏見が無く博愛の精神を持つ。

むしろ、その正当性が世間からずれてると見られる。

薫の背中を、知らない内に押している人物。


■本間 琴 {江里奈}

シスター。幼少の咲の面倒を、一時教会で見ていた。

咲が店を開店したことを 聞きつけ、金の無心へ行く。

表での顔と違い、裏では派手好きで 男性に依存をしないと生きていけない人間。


■白倉 絹子 {阪本瑞葉}

スリで生活をしていた。ある日、そのスリがバレ、リンチを受けている時に咲に救われる。

その後クラブ「翼」で働くが、咲を裏切りクラブ「金馬車」に移籍。

病的なギャンブル依存症。無知なために、いいように人に使われてしまう。


■沢田 初 {大多和 愛子}

クラブ「金馬車」の大ママ。戦前の大物政治家の愛人の娘。

銀座の水商売の世界で 沢田の名前を知らない人はいない。

金と権力と時代を知っている沢田。 咲の才能を面白がり面倒を見たが、そりが合わず咲は独立。

最初は、ほっておいたが、その繁盛振りが鼻につき、咲を貶めようとする。


■杉田 十蔵 {岸 哲生}

刑事。元特高警察。GHQ の命令により、浮浪児狩りをした。

咲の本当の過去を知る人物。 戦前より、徹底的な男尊女卑の思想を持つ。

男以外は、下等な人間だと思い、 水商売などは下品な仕事だと思っている。

時代錯誤の正義感が行き過ぎた人物。 初にいいように、そそのかされる